カイオエ・ワンライSSまとめ - 2/10

The Dream of a Butterfly.
2020.05.01.

 昨日さ、変な夢を見たんだよ。俺もお前も魔法使いっていう設定で……あ、おい、帰るなって。ほら、購買のクリームパンやるから。これ好きだろ? ネロが焼いたクリームパン。シノに頼まれて曲を作ってるんだけど、どうにも煮詰まっててさ、お前に聞いてもらって、アドバイスしてほしいんだよ。『なんで僕に』? うーん、そうだなあ。お前は耳が良いし、歌がうまいし。あと、他のやつみたいに遠慮せずに、悪いとこがあればズバズバ言ってくれるだろ。変なやつ……って、それはお互い様じゃないか? ほら、それくらいで拗ねるなって。悪かった、確かに俺は変わり者だ。お前みたいなやつが好きな、……って蹴るなよ。照れてるのか?
 夢? ああ、さっきの話か。なんだかやたらとファンタジックな世界でさ、俺たちは魔法使いなんだ。そう、あの箒に乗って空を飛ぶ、魔法使い。俺は騎士でもあって、ゲームに出てくるような剣を振るって戦ってた。夢の中の世界では、俺の片目はお前に奪われて、代わりにお前の目を埋め込まれた。だからふたりともオッドアイなんだ。面白いだろ?
 たしかに、偶然出会ったふたりがお揃いのオッドアイでした、というよりはよっぽど現実味があるよな。まあ、夢の話なんだが。そう考えると俺とお前が偶然おなじ色の目をしているのが、奇跡みたいだと思ってさ。もしかすると俺たちのこの世界のほうが、夢の世界なのかもな。なんて、それは冗談だけど、こうしてお前と出会えたのは、神様がくれた奇跡なんじゃないかと思うよ。……笑うなって。